北里大学薬友会

平成28年度北里大学薬学部生涯学習セミナー(前期)のお知らせ
 【前期テーマ】 薬剤師が身につけたい薬物療法ガイドラインの知識と実践

 最近、わが国の薬物療法ガイドラインが改訂され、更なる医療の質の向上が期待されています。特に薬剤師には、最適な薬物療法を提供する医療の担い手としての役割が期待されています。患者さんへの服薬指導や在宅医療など、現場で幅広く活躍することが期待されることから、今回のセミナーでは、薬学知識に焦点を絞り、医師と薬剤師の講師による集中セミナーを開催します。奮ってご参加ください。

第1回:平成28年5月14日(土) 午後2時30分~午後5時45分
テーマ:「アレルギー疾患の薬物療法における薬剤師の役割」

講義内容・講師
講師: 粒来 崇博 先生 (国立病院機構相模原病院アレルギー科)
講義1: 気管支喘息の薬物治療 吸入療法を中心に (14:30~16:00)

 気管支喘息は小児10-14%、成人4-10%と有症率が高いため、扱う頻度が多い疾患です。治療の中心が吸入薬であるため、内服に比べて使用に際しての指導が大きな意味合いを持ちます。また、NSAIDS、β阻害剤、造影剤など、併用を注意すべき薬剤が多いことから、薬剤による悪化の予防のため服薬の確認と指導が重要です。本講義では、喘息の病態と吸入薬の指導上の注意、注意すべき薬剤などについて概説します。

講義2: 薬剤由来のアナフィラキシー (16:15~17:45)

 アナフィラキシーは急激に全身のアレルギー反応をきたす疾患です。ショックや喉頭浮腫による窒息など生命にかかわる事態になりえるため、対策が欠かせません。原因として、食物、昆虫と並んで多いのが薬剤です。また、アナフィラキシーの増悪要因になる薬剤もあります。本講義では、アナフィラキシーの病態と原因となる頻度の多い薬剤について、また薬剤アナフィラキシーの対策について概説します。

第2回:平成28年6月11日(土) 午後2時30分~午後5時45分
テーマ:「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」

講義内容・講師
講師: 折茂 肇 先生 (東京都健康長寿医療センター 名誉院長)
講義1:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 1 (14:30~16:00)

 現在、わが国における骨粗鬆症患者は約1,300万人と推定されており、人口の高齢化に伴いその患者数は経年的に増加しています。1998年厚生省(現、厚生労働省)の長寿科学研究事業骨粗鬆症研究班のワーキンググループの班長として、EBM(evidence based medicine)の考えに基づいて骨粗鬆症に関する情報を客観的立場から評価し「骨粗鬆症の治療(薬物療法)に関するガイドライン(1998年版)」を作成しました。2006年には「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年版」が刊行されています。過去の治療ガイドラインの作成の背景を踏まえた骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインについて解説します。

講義2:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2 (16:15~17:45)  

 昨年、複数の新規薬剤や既存薬の新たな剤形が登場したことから「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」を刊行しました。今回の改定は、日本骨粗鬆症学会、日本骨代謝学会、骨粗鬆症財団から推薦された整形外科、内分泌代謝内科、老年内科、婦人科、放射線科、疫学、公衆衛生学、栄養学の各分野のオピニオンリーダーからなる、極めて学際的な作成委員会により行われたものです。本講演では、これまでに蓄積されたエビデンスを客観的な立場から体系的に整理し、一人ひとりの患者に最適な薬物治療を行うための知識を深めていただきたいと思います。

第3回:平成28年7月16日(土) 午後2時30分~午後5時45分
テーマ:「炎症性腸疾患の病態とその治療薬の選び方・使い方」

講義内容・講師
講義1:炎症性腸疾患内科治療の現在  ~最近の進歩がもたらしたもの~ (14:30~16:00)
 講師: 小林 拓 先生
 (北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター 副センター長, 北里大学大学院 特任准教授)

 かつては栄養療法やステロイドしかなく、多くの患者が長期入院や外科手術を繰り返し必要とした炎症性腸疾患診療における最近の進歩はめざましいものがあります。血球成分除去療法、抗TNFα抗体、タクロリムスなどの新しい治療法だけでなく、5ASA製剤やステロイドなどの既存の薬剤にも異なる剤形が次々と開発されました。本講演ではこのような内科的治療の進歩によって劇的に変貌を遂げた現在の炎症性腸疾患診療と今後の展望について概説します。

講義2:炎症性腸疾患の薬物治療  ~服薬指導のポイントと薬剤師の関わり~ (16:15~17:45)
 講師: 八木澤 啓司 先生 (北里大学北里研究所病院 薬剤部)

 炎症性腸疾患(IBD)の治療に用いられる薬剤はこの20年で劇的に進歩し、多くの患者のQOLが向上しました。一方で薬物治療は複雑化し、副作用も多様化したことは事実であり、より効果的に、そしてより安全に薬剤を使用していく上で薬剤師の担う役割も大きくなってきています。本講演では薬物治療成功のキーともなる服薬指導やモニタリングのポイントについて概説し、また北里研究所病院IBDチームにおける薬剤師の関わりについて紹介します。

  1. 主 催: 北里大学薬学部生涯学習センター
  2. 共 催: 北里大学薬友会・(公財)日本薬剤師研修センター
  3. 時 間: 午後2時30分~午後5時45分
  4. 場 所: 各回 白金キャンパス 1号館1501大講義室(予定)
  5. 定 員: 各回 300名
          (当日参加も可能ですが、定員になり次第締切りますので、なるべく事前にお申込みください。)
  6. 対 象: 本学および他薬系大学の卒業生
  7. 受講料: 各回 2,000円
  8. 認定単位:各回とも日本薬剤師研修センター認定研修 2単位
  9. 申込締切:第1回 平成28年5月9日(月)
           :第2回 平成28年6月6日(月)
           :第3回 平成28年7月11日(月)

申込方法

 定員に達しましたので、受付を締切りました。当日受付はございませんのでご了承下さい。