北里大学薬友会

2020年北里大学薬学部生涯学習セミナー(前期)中止のお知らせ

 2020年度前期セミナーですが、緊急事態宣言が解除された場合でも、コロナ禍の終息が見通せない状況がしばらく続くものと推測されること、受講生、関係者の健康・安全を最優先に考慮し、慎重に検討したところ、前期第2回セミナー(6月20日)、前期第3回セミナー(7月4日)を「中止」とさせていただきます。
 お忙しいところご都合を合わせてお申込みいただきましたのに、誠に申し訳ございません。
 何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。
 今後のセミナー開催については、北里大学薬学部ウエブサイト、北里大学薬友会ウエブサイトに掲載、北里大学薬友会公式LINEアカウントhttps://lin.ee/mDPBgunより通知いたしますので、ご確認ください。

第1回:AYA世代がん医療と薬剤師への期待
日 程:2020年5月16日(土) 14:30~17:45

 AYA世代とは15~39歳のAdolescent &Young Adult(思春期・若年成人)を指し、就学、就職、結婚、出産、子育てなど人生の重要な節目に直面する年代の患者さんが含まれます。AYA世代がん医療では、治療等の選択がその患者さんの人生設計に大きな影響を及ぼす可能性があり、医療スタッフには身体面だけでなく、心理・社会面のサポートも求められます。
 そこで本セミナーでは、AYA世代がん医療の最前線からお二人の講師をお招きし、現在のAYA世代がん医療や患者さんが自分らしく生活するための支援のあり方等について、薬剤師への期待も含めてお話いただきます。

講義内容・講師
講義1:「AYA世代がん患者から薬剤師への期待」 (14:30~16:00)
講師: 桜井 なおみ 先生 (キャンサー・ソリューションズ株式会社 代表)

 AYA世代における医学的な課題は、治療成績の改善率の停滞にあります。この課題解決に向けては、臨床試験の対象年齢の拡大などの他、臨床試験の結果をリアルワールドにおいて再現していく努力が不可欠であり、薬剤師への期待は高くあります。人生100年時代を迎えた今、人生の折り返しにも満たない年齢でがん治療を受けることによる身体への中長期的な影響についても、未解明な部分が多く、今後の課題ともいえます。
 就学、就労、出産・育児など、社会の中でも家庭の中でも中心的存在であり、多忙なAYA世代のがん患者に対し、どのようにコンプライアンスを維持し、どのような関わりが薬剤師に求められるのでしょうか。本セッションを通じてともに考えていきたいと思います。

講義2:「AYA世代がんのチーム医療」 (16:15~17:45)
講師: 清水 千佳子 先生 (国立国際医療研究センター病院がん総合診療センター 乳腺・腫瘍内科)

 AYA世代がん患者にとって、がんの診断と治療は、その後の人生設計に大きな影響を与える問題であり、患者の多様なニーズに対応するためには、多職種チームによる包括的なケアが必要なのは当然です。また、治療中の緩和・支持療法だけでなく、がん治療後長期にわたる健康管理も重要です。しかし、AYA世代のがん患者は数が少なく、複数の診療科に分散しており、支援する側にある医療従事者が知識や経験を蓄積するのが困難で、患者のニーズに対応するための専門職を取り揃えるのは非現実的です。本講義では、そのような現状を踏まえ、AYA世代がんに対する新しいチーム医療のあり方を提案するとともに、薬剤師の関わりによる患者ケアの向上の可能性について論じます。

第2回:循環器疾患治療の最前線
日 程:2020年6月20日(土) 14:00~17:15

講義内容・講師
講義1:「薬剤師が解説する高血圧治療ガイドラインと降圧薬」 (14:00~15:30)
講師: 小林 由布子 先生 (北里大学北里研究所病院 薬剤部)
 2019年4月に、5年ぶりに日本の高血圧治療ガイドラインが改定され、特に高血圧の分類、降圧目標値が注目されました。診断基準は従来の140/90mmHgから変更しなかったものの、「正常高値血圧」と定義されていたカテゴリーは「高値血圧」と定義され、一部高血圧患者の降圧目標値が引き下げられました。また、目標達成のために、「生活習慣の修正や非薬物療法の強化を図る」とともに、高値血圧・高リスク者が薬物治療の対象となりうることが明記されています。薬剤師として、薬物治療管理だけではなく、患者の家庭血圧値の評価や測定方法の把握、さらには高血圧予備軍に対する介入のタイミングを計ることなど、担うべき範囲の拡大が期待されています。
講義2:「かくれ心不全とこげつき心不全~最悪の心臓病を防ぐ、診る、癒す」 (15:45~17:15)
講師: 猪又 孝元 先生 (北里大学北里研究所病院 循環器内科 教授)

 団塊の世代が後期高齢者になると、入院治療の必要な高齢心不全患者が病院に押し寄せる―そんな“心不全パンデミック”が、現実味を帯びてきました。循環器内科の入院数ではすでに心不全患者がトップであり、年を経るごとに増加の一途をたどっています。現状を放置すれば、いずれ社会問題となることでしょう。そうした事態を防ぐには、「かくれ心不全」患者を「こげつき心不全」にしないことが大切です。
 心不全とは、心臓のポンプ機能がうまく働かない状態を意味します。心不全の多くはある日突然に起こるものではなく、リスクから心臓の変化、症状の出現へと時間をかけて徐々に進行していきます。心不全診療では、できる限り早い段階で適切にアプローチすることが最も重要です。この講演では、心不全のいち早い見つけ方と最新の包括的な心不全管理法をご紹介します。

第3回:薬剤師が知っておきたいアレルギー疾患の治療と患者支援
日 程:2020年7月4日(土) 14:30~17:45

講義内容・講師
講義1:「アトピー性皮膚炎の治療方法と治療薬」 (14:30~16:00)
講師: 笠井 弘子 先生 (北里大学北里研究所病院 皮膚科 部長)
 アトピー性皮膚炎は瘙痒を伴う湿疹の増悪と軽快を繰り返す疾患であり、患者の多くは「アトピー素因」を持ち、皮膚のバリア機能が低下しやすい傾向があります。病因などが様々な多因子疾患であるため、寛解状態を保つには患者個々の状態を把握し、それぞれに合った治療方法を選択することが重要です。
 本講演では現在広く用いられている寛解維持療法であるプロアクティブ療法を含めたアトピー性皮膚炎の治療方法と、治療の軸となる外用療法で欠かせない保湿剤、抗炎症外用薬(ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏)、2018年に本邦で使用可能となった生物学的製剤(デュピルマブ)といった重要な薬剤の種類・使い方のポイントを中心に紹介します。
講義2:「小児アレルギー疾患における薬剤師の関わり
~小児アレルギーエデュケーターとして役立つ薬剤師を目指して~」 (16:15~17:45)
講師: 櫻井 理恵子 先生 (北里大学メディカルセンター 薬剤部)

 小児のアレルギー疾患は増加傾向にあり、多くの患者や家族が治療や日常生活の不安を抱えています。アレルギー疾患対策基本法が施行され、薬剤師も専門知識を取得し、重症化の予防や症状の軽減に寄与し、適切なアレルギー疾患医療を行うことが求められています。
 小児アレルギーエデュケーター(PAE)として、食物アレルギーの小中学校や保育園での緊急時対応研修や、患者会でのスキンケア教室、気管支喘息の吸入支援等、小児期のアレルギー管理をサポートしてきた活動を紹介し、日常の薬剤師業務に役立つ情報を共有し活用していただきたいと思います。また災害が多い日本で、アレルギーの患者は災害弱者であり災害への対策や支援が必要となります。災害時の対策についても、平時から意識する機会としたいと思います。

  • 主 催:北里大学薬学部生涯学習センター
  • 共 催:北里大学薬友会・(公財)日本薬剤師研修センター
  • 時 間:第1・3回 午後2時30分~午後5時45分
        第2回   午後2時00分~午後5時15分(*30分繰り上がります)
  • 場 所:白金キャンパス 薬学部1号館1501大講義室
  • 定 員:各回 300名 (定員になり次第、締切いたします)
  • 対 象:本学および他薬系大学の卒業生
  • 受講料:各回 2,000円
  • 認定単位:各回 日本薬剤師研修センター認定研修 2単位
  • 申込締切:第1回 2020年5月11日(月) *お申込は中止しました
    第2回 2020年6月15日(月) *お申込は中止しました
    第3回 2020年6月29日(月) *お申込は中止しました

申込み方法

 お申し込みは中止致しました。

お問合せ先

  • 北里大学薬学部生涯学習センター事務局(北里大学薬友会内)
  • 〒108-8641 東京都港区白金5-9-1
  • TEL&FAX: 03-3448-8191
  • メールアドレス: ph-llc@kitasato-u.ac.jp (ピーエイチ ハイフン エルエルシー@~)