北里大学薬友会

第29回和漢医薬学会学術大会のお知らせ

 漢方薬は現代医療において、単独のみならず、多岐にわたる疾患の治療を目的に西洋薬との併用が行われるようになってきております。このため、患者への服薬指導、医師への疑義照会などにおいて、その作用メカニズム、副作用、西洋薬との併用による効果などに関する理解が必要となります。和漢医薬学会ではこれまで、漢方薬の種々の観点からの作用について現代科学的な解明を目指した学会活動を行ってきており、学術大会により情報交換を行う場を設けて参りました。
 この度、北里大学東洋医学総合研究所・花輪壽彦所長を会頭に学術大会を開催することとなりましたので、奮ってご参加いただけますようお願い申し上げます。

プログラム1.シンポジウム:医療薬学で実践する和漢薬研究

 漢方薬の西洋薬との併用においては、併用での利点の理解、両薬剤の作用の相違や併用に伴う副作用の発現に注意を払う必要がある。また、投与設計においては、漢方薬成分の薬動力学的な理解も重要となる。本プログラムでは漢方薬の投薬における種々の医療薬学的な課題に関する最近の知見について紹介していただく。

演 題
  1. ①漢方薬と西洋薬併用の注意点と有害作用(仮題)
     赤瀬朋秀(済生会横浜市東部病院薬剤部)
  2. ②オピオイド製剤の便秘に対する大建中湯の効果(仮題)
     中村智徳(群馬大学大学院医学系研究科臨床薬理学分野)
  3. ③漢方薬成分の体内動態:大建中湯のPharmacokinetics (PK)(仮題)
     竹田秀一(株式会社ツムラ 信頼性保証本部)
  4. ④CYPとトランスポーターに及ぼす漢方薬成分の影響(仮題)
     杉山 清(星薬科大学薬学部薬動学)
  5. ⑤漢方薬の副作用:最近の添付文書改訂事例を中心に(仮題)
     本間 真人(筑波大学大学院人間総合科学研究科臨床薬剤学)

プログラム2.病院・開局薬剤師のための漢方講座

 現在、ほとんどの医師が漢方薬を使用したことがあると報告されている。このため、調剤現場で薬剤師も漢方薬を取り扱う機会が増えている。しかし、多くの薬剤師は漢方薬学に関する教育や情報を得る機会が少なく、日々の漢方薬の調剤及び服薬指導業務にどのように取り組めばよいかと苦慮することも多い。そこで今回の講座では、これからの薬学教育における漢方薬学の必要性、また、今後薬剤師がどのように漢方薬の調剤業務に取り組むべきかを考える機会としたい。

講 師
  1. ①大学病院における漢方診療の取り組み(仮題)
     五野由佳理(北里大学病院)
  2. ②病院薬局における漢方調剤の取り組み(仮題)
     佐橋佳郎(福島県立医科大学会津医療センター)
  3. ③開局薬局における漢方調剤の取り組み(仮題)
     戸田哲司(株式会社高島堂薬局)
  4. ④北里大学薬学部における漢方教育の取り組み(仮題)
     小林義典(北里大学薬学部生薬学教室)

 その他のプログラムとして種々のシンポジウムも聴講できます。学術大会の日程、講演や参加登録の詳細についてはホームページ( http://wakan29.umin.jp/index.html)をご覧下さい。

  1. 主催:和漢医薬学会
  2. 日時:平成24年9月1日(土)〜9月2日(日)
  3. 場所:白金キャンパス1号館および体育館(ポスター発表)
  4. 認定単位:日本薬剤師研修センター認定研修(1日3単位、両日参加で6単位)
     参加申込後研修窓口にて認定シールを配布いたします。 当日は研修手帳をご持参下さい。
  5. 受講料:11,000円(予約参加、申込期限:7月31日まで)
     13,000円(当日受付)
     シンポジウム(医療薬学で実践する和漢薬研究)および病院・開局薬剤師のための漢方講座のみの受講のための受講料は設けてありませんので、ご了解下さい。

申込方法・連絡先

 大会ホームページ(http://wakan29.umin.jp/index.html)をご参照下さい。